2007/05/22

Stormy with luv.









Salena Jones/Stormy with luv.(Victor Entertainment/JVC)
Salena Jones(vo),Paul Mattews(key),Shigeru Inoue(ds),Kiyoshi Tanaka(ds),Yuichi Tokashiki(ds),Yasushi Ichihara(ds),Kenji Takamizu(b),Isao Etoh(b),Akira Okazawa(b),Tsunehide Matsuki(g),Larry Sunaga(perc),Naomi Kawahara(perc),Tadaomi Anai(perc)
79年録音。99年のいつ頃やったかなぁ、事務所でFMから流れた「All In Love Is Fair」をどうしても、もう一度聴きたいという気分になって、近くの恵比寿の駅ビルの新星堂に買いに行ったCDです。仕事中にも関わらずですね。。。今聴くと、そんな名演中の名演ちゅうわけやないのにね。
アルバム全体に漂うどこか懐かしいサウンド、と思えたのはビリー・ジョエルやキャロル・キングの名曲をやっているからということやなくて、バックを務めるミュージシャンがピアノのポール・マシューズを除いて全員、松木恒秀、高水健司、渡嘉敷祐一等々の日本の一流ミュージシャンやったからということもあるようです。
「好きなん、唄っておくれやす」というオファーに、サリナ・ジョーンズはお気に入りで唄い慣れたレパートリーから選曲したそうです。制作側としては日本人ウケを意識したのは間違いないでしょうが、でも、たまに聴くと、とてもリラックスして心休まるアルバムですなぁ。分かりやすさ、シンプルなことって、やはり大事やね。

2007/05/20

True Blue









Tina Brooks/True Blue(Toshiba EMI/BlueNote)
Tina Brooks(ts),Freddie Hubbard(tp),Duke Jordan(p),Sam Jones(b),Art Taylor(ds)
60年録音。10年以上前、東芝EMIが「ブルーノート盤を番号順に全部CD化して発売しまっせ!」という企画でジャズ・ファンが拍手喝采を送ってた頃に、幻の名盤と言われてた「Back To The Tracks」と一緒に買ったCD。でもTina Brooksのテナーってあまり好きになれず、アルフレッド・ライオンやないけどCDラックでオクラ状態になってました。
久しぶりに聴いて、おお、意外とハード・バップの出来でサム・ジョーンズのベース、アート・テイラーのタイコに乗せられて思わず惹き込まれました。なんというかその、客人のフレディー・ハバードの方がハツラツとしてブリリアントなプレイで、ラッパが主人公かいなと思ってしまいます。でもティナ・ブルックスの音も華がないといえばそうやねんけど、これはライブとかで出くわしたら、ノリノリでかけ声連発しそうになるタイプかも。曲も6曲中5曲はブルックス作ちゅうことで、頑張ってます。
ところで、翌年61年の春以降ブルックスのレコーディングはなく、その後仕事もないような状態で74年には短い人生を閉じてしまったようです。ファンはブルックスが残した数少ない作品の中で、秀逸なジャケット・デザインのアルバムに収められたちょいと押しの弱いアーシーなトーンで印象的なマイナーのメロディ・ラインを愛でながら、少し時を止めてひと時の悦びに浸るちゅうわけです。

2007/05/19

Lush Life









John Coltrane/Lush Life(Fantsy/Prestige)LP
John Coltrane(ts),Donald Byrd(tp),Red Garland(p),Paul Chambers(b),Louis Hayes(ds),Albert "Tootie" Heath(ds),Earl May(b),Art Taylor(ds)
57/58年録音。「I Hear A Rhapsody」がガーランド、チェンバース、アル・ヒースを従えて57年3月、A面3曲(「Trane's Slow Blues」「Like Someone In Love」「I Love You」がアール・メイ、アート・テイラーとのトリオで57年8月、タイトル・チューン「Lush Life」がドナルド・バード、ガーランド、チェンバース、ヘイズのクインテットで58年1月録音、と3つのセッションを1枚にまとめたアルバム。
この頃のコルトレーンは「Monk's Music」をはじめとしたモンクとのセッション、レッド・ガーランド、マル・ウオルドロンなどのリーダー作にそれぞれ何枚かずつ参加し、Prestigeで何枚もの自己名義のセッションに加えて9月にブルーノートでの「BLue Train」を吹き込み、と大忙しで57年だけで30数枚のレコードに名前を残しています。ちなみに58年2月にはマイルス・バンドで「Milestone」を吹き込んでます。
やはり、「Blue Train」を経て一番吹き込みが後の「Lush Life」での音色のふくらみやフレージング、呼吸の置き方等々に素晴らしいものがあります。その後に続く「I Hear A Rhapsody」を聴くと、えっ、1曲前の「Lush Life」吹いた人かいなと戸惑ってしまうぐらいです。てなことで、この1枚でも飛躍的に大前進するコルトレーンを聴けてとても興味深いちゅう話になってますます美味しいわけです。

2007/05/15

Supertrios









McCoy Tyner/Supertrios(Vicotr Musical Industries/Milestone)LP
McCoy Tyner (p),Ron Carter(b),Tony Williams(ds),Eddie Gomez(b),Jack DeJohnette(ds)
77年録音。1枚目がロン・カーター、トニー・ウイリアムスとのトリオで4月9・10日の録音、2枚目がエディー・ゴメス、ジャック・ディジョネットとのトリオで同月11・12日の録音。まさに、スーパー・トリオで、これを4日間続けてマッコイにこれだけ演奏させるというオリンキープニュースの手腕もスゴイでんな。
トニーの猛烈というか爆発しまくるタイコとドライブしまくるロン・カーターのベースを相手に徹底的に戦いまくるマッコイの過激さで、アルバムの評判とか人気としては1枚目を推す声が多いのではないでしょうか。もう、すさまじい嵐がゴーゴーゴーと吹き荒れている様で、この図式、ある意味、分かりやすいもんね。
一方、若きゴメスとディジョネットと組んだ2枚目の方は、やはりマッコイとしては、この二人との組み合わせは異質な感じがしないでもないですが、本人的には使いやすいというのがあったのか、少し落ち着いた繊細な感じで、こちらのほうが、ピアノ・トリオとしての表現力は充実してるかもしれません。
まぁ、私見ですけど。とりあえず、このレコードはぜひ2枚目から聴いてほしいですね。できればB面のステラ、ラッシュ・ライフあたりから。ちゅうてもまずトゥモロー・ランドから行くか、アドベンチャー・ランドから行くか、そら人好き好きやからね。
ところで、同じ頃、というかこの録音から3ヶ月後の7月にCBSでのハンコックのリーダー作「The Herbie Hancock Trio」でもロンとトニーは演奏してます。こちらの方では大暴れすることがあっても予定調和的な感じがします。マイルス・バンドからV.S.O.P.までやりなれた3人の芸かもしれませんが、ハンコックの、ヤラシイほどの自身の音楽に関するプロデュースの力というか、そのへんも実に大きいと思います。その点、このアルバムのマッコイはピアノ抱えた渡り鳥というか、燃える男というか、正直ものというか、とてもスリリングです。

2007/05/13

My People









Joe Zawinul/My People(Hired Gun Marketing/Escapade Music)
Joe Zawinul(vo, key, programming),Richard Bona(vo,b),Bobby Malach(ts),Mike Mossman(tr,tb),Cheick Tidiane Seck(key),Gary Poulson(g),Amit Chatterjee(g),Osmane Kouyake(g),Matthew Garrison(b),Paco Sery(ds),Tal Bergmann(ds,perc),Alex Acuna(perc), Trilok Gurtu(perc),Bolot(vo,topshur),Arto Tuncboyaciyan (vo,perc),Salif Keita(vo), Thania Sanchez, Burhan Ocal (vo), and others
96年作品。録音は一部92年から行われていたらしい。で、96年のワールドミュージック部門のグラミー賞を受賞したとのこと。
これ発売された頃に買ってて、あんまり聴いてなかったもので、どんなんやったったけ?と今日なにげに聴きなおしたんですが、なんというか、私、どうも苦手。聴かなかったわけやね。Salif Keitaとの共演、Richard Bona、Gary Poulson、Paco Seryの登用と、この頃のザビヌルのバンドは話題豊富なんですけど。ヨーロッパ大陸からアジア、アフリカ方面と世界の人々の暮らしや生命を慈しみ叙述する、という主旨なのかもしれませんが、今の私の身体にはもひとつ馴染んでくれそうにないので、しばらくお預けです。。。タモリの空耳アワーに使えそうなネタがいっぱいありますけど。。。ううっ、このアルバム、好きな方、すみません。

Midnight Mood









Mark Murphy/Midnight Mood(Universal Music/Polydor/MPS)
Mark Murphy(vo),Jimmy Deuchar(tp),Ake Persson(tb),Derek Humble(ts),Ronnie Scott(ts),Sahib Shihab(bs,fl),Francy Boland(p),Jimmy Woode(b),Kenny Clake(ds)
67年録音。クラブの皆さんには伝説となってるらしいMark Murphyの代表作とか。何年か前にある方からサンプル盤をダンボール1箱頂いたことがあって、その中の1枚でんな。なんと、未開封のままでした。Tさん、すみません。
どれどれと、かけてみる。ケルンのスタジオでアルバムとラジオの録音をやってたクラーク=ボーラン・ビッグ・バンドからのピック・アップ・メンバーを従えて、軽く唄うマーフィーのセンスの良さに脱帽。1曲目の「Jump For Joy」は意表をついて唄のアカペラでスタート。これがまたカッコよろし。こんなところでもやってたJimmy Woodeの「Sconsorato」、「これなんて曲やったっけ?」と、かみさんもビビッと反応。いやぁ、印象的な美しい曲やね。スタンダードの「Alone Tgether」「My Ship」も交え、ラストは「I Get Along Without You Very Well」でしっとりと。こらホンマ夜中に聴くと最高やろなちゅうて、しもた、真昼に聴いてもたがな。

2007/05/12

Wild And Peaceful









Kool & The Gang/Wild And Peaceful(PolyGram/Mercury)
Robert "Kool" Bell(b),Claydes Smith(g),Dennis "D.T" Thomas(fl,as),Ronald "Khalis Bayyam" Bell(ss,ts),Robert Mickens(tp),Rick West (key),George Brown(ds,perc),and others
73年作品。「Funky Stuff」、「Jungle Boogie」、「Hollywood Swinging」などのヒットを連発、Kool & The Ganggがセールス的にブレイクした作品といわれてます。
私、当時、このアルバムを買ったりしてたわけではないのに、なぜか半分以上は曲を知っている、というか覚えているという不思議なものです。どちらかというと、アースよりはKool & The GangとかWARが好きやたのは確かです。やはり10代に聴いたものって、体に奥深く残ってるんでしょうか。
ノリノリの曲オンパレードに続き、ラストの「Wild And Peaceful」、メロディアスでありながら、こういうインストものをマジでやってた彼ら、やはりどっか、「In A Silent Way」とか、「Weather Report」あたりの音が好きで影響されてたのかも、と今になって思います。

2007/05/09

Bobby Lee Rodgers & The Codetalkers









Bobby Lee Rodgers & The Codetalkers/NOW(GreyDog'sRecords/Collard Green Records)
Bobby Lee Rodgers(vo,g),Ted Pecchio(b),Tyler Greenwell(ds)
06年作品。先日の4月25日に日本盤発売だったそうです。かみさんがDisk Unionの店頭試聴機でこのファンキーでブルージーな音を聴いてカッコいい!と強力プッシュ。で、なぜかRECOfanで購入。
で、家で聴いてびっくり。シンプルでタイトなバンドサウンドにけっこうキャッチーなメロ。テクもしっかり。ギターソロ、メチャ、カッコいい。どこか懐かしい香りがするのは、Bobby Lee Rodgersが1947年製ギブソンをレズりーのアンプに直つなぎで鳴らしてるから、ということやそうです。ちゅうても私にギターのセッテイングのことはよく分かりません。 でも、理屈やなしに、ご機嫌。体温を感じます。これは収穫でした。
ところで、今日昼ごはんを食べようと道歩いてたら、チャリンコに乗った外人さんの若奥様ふうの女性がもう一人、チャリンコに乗った女性と大声で話しながら私の目の前を横切って行きました。「いやー、ホンマ、私えらいビックリしたわー!」その流暢な関西弁に私は思わず立ち止まって颯爽とチャリンコで走り去るその外人さんを見送ってしまいました。ビックリしたんはこっちやがな、あんた。なんで関西弁やねん!
そんな一瞬の出会いに似た驚きと喜び。いや、ホンマ、このCDよろしおまっせ。

2007/05/07

Faun









John McNeil/Faun(SteepleChase)LP
John McNeil(tp),David Liebman(ts,ss,fl),Richie Beirach(p),Buster Williams(b),Billy Hart(ds),Mike Hyman(ds)
79年録音。ジョン・マクニールのリーダー第2作目。
リーブマン、バイラークのコンビは普段一緒にやりなれているせいでしょうか、うまくアルバムの統一感をまとめるのにとても貢献しているように思います。そこにビリー・ハートの猛烈に煽りまくるドラミングが加わって、特にB面「Samba de beach」、「Ruari」は圧巻の一言につきます。
「Ruari」でのリーブマンのソプラノからバイラークにソロが受け継がれていくあたりの興奮は、もう、誰のアルバムやったけ?と忘れそうになりますが、その前のB面頭の「Iron Horse」でのJohn McNeilとMike Hymanのデュオを聴くと、全体を通じたアグレッシブな曲調がやはりリーダーのJohn McNeilの趣味なんやね、と安心できます。
マクニールは好きなサックス奏者として、リーブマン、グロスマン、ブレッカーの3人を挙げてます。コピーしても彼らのフレーズは吹けん、とブルーになるそうですが、そのラブコールに応えてリーブマンもエエ仕事しとります。前述の2曲に加え、A面のブルース「C.J.」のカッコいいこと。「Faun」でのフルートの美しさも実に素晴らしいです。

2007/05/06

Don't Ask My Neighbors









Raul de Souza/Don't Ask My Neighbors (Capitol)LP
George Duke(prod),Bobby Lyle(key),Ronald Bautista(g),Charles "Icarus" Johnson(g),Robert Popwell(b),Byron Miller(b),Leon "Ndugu" Chancler(ds),Harvey Mason(ds),Manolo Badrena(perc),Airto Moreira(perc),Azar Lawrence(ts,ss),and others
78年録音。前作「Sweet Lucy」に続きジョージ・デュークがプロデュース。POPな仕上がりでネイティブ感が薄れてますが、スーザの太く、暖かいボントロの音色が織り成すメロディには聴き惚れてしまいます。曲によってはオクターバーなどエフェクターをかけてるのもありますが、それも嫌味なくカッコイイです。
どちらかというと、Harvey Masonのちょっと軽くはねたような感じのビートの方がよくあっているような気がして、「La la Song 」「Beauty And The Beast 」「Fortune」「I Believe You」が特に好きです。そうそう「Beauty And The Beast 」はショーターの名曲です。
それにしても、これもすごいジャケットやなぁ。でも中身は「ガハハ、ガッツ・ポーズで決まりや!」の姿のとおり、快心の出来ですわ。

Peace Treaty









Nathan Davis/Peace Treaty(SFP)
Nathan Davis(ts,ss),Woody Shaw(tp),Jean-Louis Chautemps(bs),Rene Urtreger(p),Jimmy Woode(b),Kenny Clark(ds)
65年録音。10年以上前にCD化されたものの、永らく廃盤だったらしく、この春にアナログ、CDで再発されたという話題盤。アナログは澤野工房が販売してますね。
Nathan Davisって全く知りませんでしたがWoody Shaw入ってるし、3管のハードバップやってるという話で、これだけあちこちで誉められまくってたら聴いてみたくなるのが人情ちゅうもんやがな。
で、なんと申しましょうか、僕としてはそんな思い入れが無いせいもあって、さほど「すごいがな」という感慨はなく、すみません。。。
ネイザン・デイビスはデクスター・ゴードンとブッカー・アービンを足して2で割ったようなトーンで豪快に吹きまくってますが、ウディ・ショウもルネ・ユルトルジェもどこかウワの空っぽいような感じで、うーん、気のせい?僕、こういう超B級名盤って昔から得意じゃないので、しばらくしてある日突然この美味しさに気付くというパターンかもしれません。
ただ、4曲目「Sconsolato」のデイビスの妖しいソプラノの音色によるメロディは秀逸。7曲目のボーナス・トラックのバージョンはペットとバリサクを排して、ギターを加えたカルテット編成によるもので、ソロも短くあっけなく終わってしまうアレンジですが、こちらの方が曲、ソプラノの双方の美しさが際立っていてよいのではと思います。

2007/05/05

If They Only Knew









David Liebman/If They Only Knew(Timeless) LP
David Liebman(ts,ss),Terumasa Hino(Tp, Flh, Per), John Scofield(g), Ron McClure(b), Adam Nussbaum(ds)
80年録音。リーブマンのソプラノ、テナーも非常に妖しく美しく響くんやけど、80年代以降は殆んどソプラノしか吹かへんし、その音もどんどん暗く内省的な音に沈み込んでいくんでついていけなくなった、という思いがあるけれど、このへんはまだ聴けるかなぁ。マイルス・バンド以降はすっかりマルくなった感のあるジョンスコの音もこの頃は尖っててカッコいいし、なんちゅうてもヒノテルのブライトな吹きっぷりにはほれぼれします。
そういう点ではB面から聴くといいかも。2曲目のジョンスコとデュオの「Autumn In New York」が素晴らしく、ホンマ、フェイド・アウトするのが惜しいです。ラストのアップテンポで飛ばしまくる「Move On Some」では、リーブマンがお約束のようにAdam Nussbaumのタイコとデュオでテナーを吹きまくるところでますますヒートアップ、最後にジョンスコ、ヒノテル、リーブマンの3人で入り乱れたバトルの末にエンディングになだれ込むさまには「ようやった!」とポンとヒザのひとつでも打ちたくなりますがな。

2007/05/04

Atlantis









Wayne Shorter/Atlantis(Columbia/CBS)LP
Wayne Shorter(ss,ts),Jim Walker (fl,afl,picc),Yaron Gershovsky(key),Michiko Hill(key),Larry Klein(el-b),Alex Acuna(ds, per),and others
85年録音。ウエザー解散直後に「Native Dancer」から当時11年ぶりに発表されたソロ作品。Out Putで聴いて、なんかイマイチと思って全く聴かなかったレコード。今聴くと、実に素晴らしい。私の耳がイマイチでした。。。
でも、当時ってショーターのソロ作品となると、「Native Dncer」を超える美しい世界か、ハンコックとかと組んでニクたらしいマルサリス・ファミリーをギャフンと言わせるストレート・アヘッドな4ビートか、って期待しますやん。でも、そんな俗世間(?)とは無縁に、ショーターの音世界が緻密に描かれたアルバムが出てきたわけですからね。しかも、A面頭からB面へと曲が進むごとに、ショーターの内向きの世界にどんどん引き込まれていくという感じで、おそらくショーターの頭の中には伝説の「Atlantis」大陸で起こった数々の物語が描かれてたんでしょうね。
でも、まぁ、それを抜きにしても、60年代のフレディ・ハバードの「Body and soul」のショーターのオーケストラ・アレンジを起点にして、最近の「alegria」「Beyond the Sound Barrier」あたりまで頭の中で線を引くと、このアルバムは出るべくして出たもんやという気がします。
一言難を言えば、これ聴くとバックの人たちはひたすら譜面を追っかけているという感じがして、そこは少し違和感を感じてしまいます。次はなんとか「Phantom Navigator」をゲットしたいものです。

Embarkation









John Mcneil/Embarkation(Steeple Chase)LP
John McNeil(tp,flh),Bob Berg(ts),Joanne Brackeen(p),Rufus Reid(b),Billy Hart(ds)
78年録音。70年代、ホレス・シルバーのバンドやサド・メルのオーケストラなどで活躍してたというMcNeilが30才の時に吹き込んだ初リーダー作。ライナーノーツでは「レコーディングの実績もなくて、ホンマ無名で、新しく出てきた才能ある人を紹介できるっちゅうのはジャズ・ライターの喜びやがな」と書かれてますが、これは紹介されたほうも嬉しいですわな。
実は関内のDisk Unionで、ジャケットのクレジット見てサイドのメンツから、こりゃ面白そうと思って買ってきましてん。ボブ・バーグがフロントにいてジョアン・ブラッキーンにビリー・ハートとくれば、かなりホットにやっとるんちゃうかというヨミは当たりまして、もうピアノとタイコに後ろからやられまくってるやん、というぐらいですが、マクニールは明るく、元気なTomHarrellちゅう感じで、結構マイペースで吹いてます。
ちょっと調べてみて、ホレス・シルバーのバンドではディスコグラフィーに名前が見つけられなかったのですが、ライブがメインでTom Harrellのトラで出てたのでしょうか。そのへんのよしみもあって、このアルバムではボブ・バーグが呼ばれたのかもしれませんね。
マクニールは今はEducatorとしても有名だそうで、「Art of Jazz Trumpet」ちゅう教則本はランディ・ブレッカーが絶賛、クラーク・テリーも「素晴らしい!」と誉めてるようです。私、ちっとも知りませんでした。

2007/05/02

Changes One









Charles Mingus/Changes One(RHINO/Atlantic)
Charles Mingus (b),Jack Waltrath(tp),George Adams(ts),Don Pullen(p),Dannie Richmond(ds)
74年録音。1曲目「Remember Rockefeller At Attica」で意外と洗練された音色とフレージングでブローするジョージ・アダムスを聴くと血沸き肉踊るんですね。そうそうジョージ・アダムスは自分のアルバムでももちろん、いろんなところで唄ってて、今となってはとっくにネタバレしてる芸ですが、ここの「Devil Blues」でシャウトしまくった後にテナーでリフを吹きまくってエンディングに向かうところでは、ホンマ冗談としか思えないノリに思わず笑ってしまいます。
アルバムのハイライトはアダムスとドン・プーレンがエネルギー大爆発で聴かせてくれる2曲目の組曲仕立てとなってる「Sue's Changes」ですが、やっぱりラストの「Duke Ellington's Sound of Love」がグッときますなぁ。このアルバム録音の半年ほど前にエリントンが亡くなってるので、ミンガスが「Changes」セッション自体もこの曲も特別な思いをもって演奏したのは間違いないでしょうね。「Chnges Two」にはこの曲がSy Johnsonのアレンジで、Jackie Parisのヴォーカル入りのテイクが納められてますが甲乙つけがたい出来です。
僕はこちらの「One」に入ってるインストのほうが好きです。アダムスのソロもイイですし、ミンガスのベース・ソロも泣かせます。おまけにテナーとトランペットのユニゾンによるメロディの美しさは、特にラストコーラスに来るとホンマ感動もんです。

2007/04/30

Mingus Ah Um









Charles Mingus/Mingus Ah Um(Columbia/CBS)LP
John Handy(as,cl,ts),Booker Ervin(ts),Shafi Hadi(ts),Willie Dennis(tb),Jimmy Knepper(tb),Horace Parlan(p),Charles Mingus(b),Dannie Richmond (ds)
59年録音。「Better Git Hit In Your Soul」「Fables Of Faubus」「Jelly Roll」「Boogie Stop Shuffle」「Self-Portrait In Three Colors」「Goodbye Pork Pie Hat」等、名曲が満載。
うーん、ダニー・リッチモンドって、バタバタしたタイコという気がずっとしてましたが、そんなことないですね。ミンガスが「こいつホンマ、ワシが聴いた中で最高やねん」と絶賛してたといいますが、めちゃタイトに決めながらドライブしまくってて、久々に聴いてすごいなぁ、と思いました。
ところで、このアルバムって、後年のミンガスの作品を聴きなれていると1曲1曲が短く、聴きやすいといえば聴きやすい。物足りないと思えばちょっと物足りないか。でもそれぞれコンパクトに仕上がっていても曲もアレンジも秀逸(4本のフロントのハモリがなんと分厚く聴こえることか!)。演奏も手抜きなしで密度は濃く、スリリングな展開に何回でも聴きたくなります。バンドのメンバーはミンガスに「ちゃうがな、そこ!」とか怒られたり殴られたりして猛練習したのかもしれませんが。。。

2007/04/29

Count Basie and Dizzy Gillespie The Gifted Ones









Count Basie and Dizzy Gillespie/The Gifted Ones(Polydor/Pablo)LP
Count Basie(p),Dizzy Gillespie(tp),Ray Brown(b),Mickey Roker(ds)
77年録音。ありそうでなかったベイシーとガレスピーの共演作。
ノーマン・グランツが仕組んだ巨匠同士の組み合わせですが、もうこれくらいの域に達すると、タイトル通り「天才たち」ですからね、ワシはカンザス・シティ仕込みのストライドピアノやさかい、とかワイはHipなビバッパーやったがな、とか関係なくて、自分の音を出せば自然と二人掛け合わせて世界が広がるちゅうことなんでしょうね。ベイシーもガレスピーも一音の空間がデカイというか、一言二言交わしていけばどんどんグルーヴしていくちゅう感じです。
グランツはこの二人の音世界を完全に私物化して楽しんでたんでしょうが、エラかったのはちゃんとLPにして発売したことでんな。

2007/04/28

Top Brass Featuring The 5 Trumpets









Top Brass Featuring The 5 Trumpets(SAVOY)LP
Joe Wilder(tp),Ernie Royal(tp),Idrees Sulieman(tp),Ray Copeland(tp),Donald Byrd(tp),Hank Jones(p),Wendell Marshall(b),Kenny Clarke(ds),Ernie Wilkins(arr,cond)
55年録音。ということで今日はラッパものです。Ernie Wilkinsのアレンジでベイシーやライオネル・ハンプトン、ウディ・ハーマンなどのバンドで鳴らした5人のラッパマンたちがお行儀良く、時にははしゃいで、それぞれの職人芸を披露しながら聴かせてくれます。やっぱりラッパのセクションものって、きらびやかというか、華がありますなぁ。
5人もキャンキャンとやかましいわ、とお嘆きの方はまずB面、ウイルキンス作「Top Brass」の後に続く、バラード・メドレーから聴いてみることをオススメします。5人がそれぞれのお気に入り曲でフィーチャーされて切々と唄いあげています。当時、一番若いDonald Byrdが23歳、残り4人は30歳前後と年齢ではそんなに変わらないのですが、それぞれスタイルとかバラードでのアプローチの違いがあって、それもまた興味深いです。私はErnie Royalの「Taking A Chance On Love」がエエかなぁ。

2007/04/27

Four Horns And A Lush Life









Frank Rosolino/Four Horns And A Lush Life(Toshiba EMI/BETHLEHEM)
Russ Garcia(cond),Frank Rosolino(tb),Herbie Harper(tb),Tommy Pederson(tb),Maynard Ferguson(tb),Dick Houlgate(bs),Marty Paich(p),Red Michell(b),Stan Levey(ds)
55年録音。Russ Garciaちゅうアレンジャーのオッチャンによる4トロンボーン企画盤。いわゆるウエスト・コーストのセンスもあって、こういうボントロのハモリってほんま聴いてて心地よいでんなー。こういうのにどこか心惹かれるちゅうのはチャリオにメチャクチャ上手いボントロ吹きの先輩がいてはった影響でしょうか。
アンサンブルものって、ラッパの集合はどうもやかましいし、サックス・ソリはどこかスケベな下心みえみえのようで、それにひきかえボントロの和音は真面目でパワフルでそれでいて美しい響きで心が和むような気がする、というと言いすぎか。ま、よろしいがな、私の偏見やね。
1曲目の「I'll Never Forget What's Her Name」、5曲目コール・ポーターの「Just One Of Those Things」、6曲目「Zigeuner」、LPだとB面にあたる7~9曲目の「Limehouse Blues」、「Lush Life」「Lover Come Back To Me」あたりが好きです。心躍ります。

2007/04/26

Flight To Jordan









Duke Jordan/Flight To Jordan (Toshiba EMI/Blue Note)
Duke Jordan(p),Dizzy Reece(tp),Stanley,Turrentine(ts),Reggie Workman(b),Art Taylor (ds)
60年録音。チャーリー・パーカーのバンドで注目を集め、50年代前半はスタン・ゲッツなんかのバンドにいたりしたのに、ソロではあまりパッとせず、このアルバムを残してデューク・ジョーダンは何故かBlueNoteから去ってしまう。この後は「Charlie Parker Record」に何枚か吹き込んだ後、73年まで録音なしやったようです。どうも仕事がなくて、食べるためにタクシーの運転手をやったりしてたという話です。
この置き土産的なアルバム、全曲ジョーダンのオリジナルでタイトル曲や「Starbrite」「Deacon Joe」など佳曲が並んでます。ラストの「Si-Joya」は「危険な関係のブルース」として超有名やけど、実はジョーダンのオリジナルやったそうです。著作権では泣かされて、本人に印税は入らんかったらしい。「これはワシの曲じゃい!」との主張に、「ホンマ、大将、エエ曲書くで!」とタレンタイン、ディジー・リーズが好演。
もっとも、私としては世間的には哀愁のピアノとか言われてるジョーダンのプレイより、全編イイ曲にノッてタレンタインやリースが朗々と歌うところにこのアルバムの魅力を感じてたりしてます。

2007/04/25

Pao









Eugene Pao&Mads Vinding Trio/Pao(Stunt)
Eugene Pao(g),Olivier Antunes(p),Mads Vinding(b),Alex Riel(ds)
01年録音。 発売された頃、池袋のHMVでたまたま見つけ、ジャケットみたら「Witch Hunt」「Recordame」「Infant Eyes」「Bud Powell」等々、気になる曲目が並んでたし、この頃、HMV池袋の推薦盤は結構私の趣味とあってたので「よっしゃ」と思いEugene Paoってよく知らんまま買ったのでした。(最近は渡辺香津美との共演もあって日本でもかなり名も売れているようです、というか前から売れてたのを私が知らんかっただけかもしれません。)
そのギター・プレイは、ハッタリかますとか、ド派手にぶちかますで、とかそういうのとは全く無縁のようで、趣味がいいというか、悪く言えば結構地味な印象はぬぐえないのですが、フレーズのひとつひとつはとっても美味しく温かでメロディを大切にして組み立てていく、聴くほどに味が出てくるタイプです。
「All Of You 」「Alice In Wonderland」 「Dolphin Dance」等、曲の半分はアコギを弾いてるんですが、どの曲も思わずコピーしたくなるぐらいです。(ちゅうても悲しいかな、私ギター弾かれへんがな。。。)
そうそう、Mads Vinding Trioで弾いてるピアノはイイ人が多いですが、このOlivier Antunesも若いのに素晴らしいプレイです。このピアノを聴いて、このアルバム買って得したと思ってる人は多いかもしれません。

2007/04/22

Mingus Big Band Live In Time









Mingus Big Band/Live In Time(Koch/Dreyfus)
Steve Slagle(ss,as,fl),Seamus Blake(ss,ts),Gary Bartz(as),John Stubblefield(ts,fl),Mark Shim(ts,cl),Ronnie Cuber(bs),Gary Smulyan(bs),Randy Brecker(tp),Philip Harber(tp),Ryan Kisor(tp),Alex Sipiagin(tp),Earl Gardner(tp),Ku-Umba Frank Lacy(tb),Robin Eubanks(tb),Britt Woodman(tb), Conrad Herwig(tb),Dave Taylor(tb),Kenny Drew, Jr.(p),John Hicks(p),Andy McKee(b),Adam Cruz(ds),Tommy Campbell(ds),Sue Mingus(prod)
97年録音。「The Fez Under Time Cafe」でのライブ盤。91年から04年まで木曜はこの店でライブをずっとやってたそうです。このバンド、基本は14人編成らしいのですが、メンバーのスケジュールがつかないことも多々あって40人ぐらいがリザーブ・メンバーになってるらしい。このアルバムも3晩の演奏を収録したものらしく、メンバーも日によって入れ替わり立ち代りやったようです。
実はハイライトが渋谷で練習してた頃なんで、94年頃か、渋谷のタワレコのJAZZコーナーで当時発売された「Nostalgia In Times Square」とかが強力プッシュされてました。当時は「Mingus Big Band」には食わず嫌いで見向きもしなかったんやけど、2年前(05年)の6月、ハイライトで関内「FarOut」に出たときに、この「Live In Time」がステージの合間にガンガンにかかってたのに衝撃を受けて思わず買ってしまったんですね。何がって、Ronnie Cuberがフィーチャーされてバリサクをブリブリ吹きまくる「Moanin' Mambo」に圧倒されたわけです。その他「Boogie Stop Shuffle」「Sue's Changes」「So Long Eric」とおなじみの曲が採り上げられてまして、全15曲、これまた、2枚組で長時間ものですが、あっという間に聴けます。
ほとんどの曲のアレンジはSy Johnsonちゅう人が手がけてますが、ミンガスがいかに優れた作曲家やったかというのがとてもよくわかります。それにしてもミンガスの曲をこないに楽しげに自由に豪快に吹きまくるビッグバンドってすごいですわ。テナーではJohn Stubblefieldもいいけど、Seamus Blakeちゅう人のプレイが実に素晴らしい。
ところで、ここでタイコを叩いているTommy Campbellは今日本で住んでるらしい。先日、ベース弾きのイガくんがとある六本木のスタジオで独学でタイコの練習をしてたら、いきなり部屋にTommy Campbellが乱入してきて知り合いになってしまい、それ以来Tommyにタイコのレッスンを受けているそうです。

Bemsha Swing









Woody Shaw/Bemsha Swing(Capitol Records/Blue Note)
Woody Shaw(tp),Geri Allen(p),Robert Hurst(b),Roy Brooks(ds)
86年録音。このアルバムは97年に発売されたいわゆる発掘モノ、2枚組です。
70年後半から破竹の勢いで「Rosewood」など素晴らしいプレイを収めたアルバムを発表してきたのに、82年にEnyaで「Lotus Flower」を吹き込んでからスタジオ制作のリーダー・アルバムはなくなり、レギュラー・グループもその後解散となったようです。これはデトロイトの「Baker's Keyboard Lounge」ちゅうクラブでのライブ盤ですが、このバンドもパーマネントなものではなかったようで、ジャム・セッション風の演奏が収録されてます。
ウディ・ショウって89年に亡くなるまでの数年間は健康状態もプレイ内容も必ずしも良いとは言えなかったといわれてますが、モンクの「Bemsha Swing」「Well You Needn't」「Nutty」、オリジナルの名曲「In a Capricornian Way」「United」あたりでは、リラックスした中で抜群の集中力とホットなフレイズも聴かれ、結構この日は調子良かったようです。
ちょっと調べてみたところ、この前の年にGeri Allenってソロ・ピアノのアルバムでオリジナルの曲に混ぜて「Bemsha Swing」「Round Midnight」と2曲モンクのナンバーをとり上げてます。この頃、Geri Allenはモンク好きでレパートリーに何曲か入れてたんでしょうね。
ウディ・ショウに「おう、なに演る?あんたの好きな曲、ワシ、なんでもやったるで」とか言われて「あっ、あの、モンクの曲とかどうでしょうか?」なんて、ジェリ・アレンが返事したりして。「ほほう、ええやん、ほな演ろか」てな感じであの3曲をやったんでしょうか。そこにRoy Brooksがすかさず、「オレの作った「Theloniously Speaking」ってどない?」なんて突っ込んだりして、なんとなくモンクでテーマ感のあるステージになったりして、と勝手に想像したりしてます。

Prayer









北川潔/Prayer(Atelier Sawano)
北川潔(b),Kenny Barron(p),Brian Blade(ds)
05年録音。NYで活躍するベーシストといえば、もうこの方の右に出る人はいないでしょうな。
澤野工房からの第二弾、ここでも北川さんのベースに操られて、Kenny Barron、Brian Bladeが素晴らしいプレイを展開して北川ベース・トリオのサウンドを紡ぎ出してます。
1曲目のブルース「Guess What」からもうノック・アウトです。ラス2の「Lonely Woman」ではすっかりのめり込んでいる自分に気がつきます。何回聴いても、「こんなん聴きたかったんや」という満足感が充足されるという超強力盤ですね。
Kenny BarronもBrian Bladeも、ご存知、当代きっての超一流のミュージシャンですが、そのポテンシャルをグイと引き出して自分の音楽に仕立て上げるという北川さんのベース・プレイはホンマ恐ろしいぐらいで、しかも肩の力も抜けた自然体でここまでやれるか、ということに驚嘆するばかりです。
5月、6月は江藤 良人(dr), 三木 俊彦(as)を従えた北川さんのベース・トリオ、待望の日本ツアーが待ってます。今回も楽しみでんなー。ぜひ観に行かないと!スケジュールは下記の通りとか。北川さんのサイトでちゃんと確認してね。

Kiyoshi Kitagawa Bass Trio
Japan Tour May.29~June.11
Toshihiko Miki(as),Yoshihito Eto(ds)

<5月>

29(tue)~30(wed)
"Body & Soul" trio w/Shinji Akita(p)
Minami-Aoyama,Tokyo
tel:03-5466-3348

31(thu)
"Birdland"
Kita-Senju, Tokyo
tel:03-3888-1130

<6月>

2(sat)~3(sun)
"Pit Inn"
Shinjuku, Tokyo
tel:03-3354-2024

4(mon)
"ケルン"
Fuji, Shizuoka
tel:0545-52-0468

5(tue)
"Jazz Inn Lovely"
Nagoya, Aichi
tel:052-951-6085

6(wed)
"もっきりや"
Kanazawa, Ishikawa
tel:0762-31-0096

7(thu)
"浪切ホール"
Kishiwada, Osaka
tel:072-439-4915

9(sat)
"Corner Pocket"
Nishinomiya, Hyogo
tel:0798-64-5402

11(mon)"通天閣"
Osaka
tel:澤野工房06-6641-5023

2007/04/21

ROUTE 80









Teruo Nakamura/ROUTE 80(Canyon/AGHARTA)LP
Teruo Nakamura(b),Brian Brake(ds),Jay Byalick(key),Harry Whitaker(key),Mark Gray(key),Steve Grossman(ss,ts),Bob Mintzer(ts,fl,b-cl),Kinny Landrum(key),Bill Washer(g),Jimmy Ponder(g),Chuggy Carter(perc),and others
81年発売。引き続き、中村照夫でお楽しみいただいております。もちろん、かみさんに。
初めて聴いたのはOut Putでやったんですが、これを聴いて、誰やったかなぁ、常連のお客さんが褒めまくってたのを覚えてます。
特にグロスマンの歌心にはグッときますなぁ。ミンツアもB面ラストの「Thinking Of You」でカッコいいソロ聴かせてくれます。こうして聴くと、中村照夫ってやはりプロデュース・ワークが素晴らしいんでしょうね。「カーネギー・ホール」「Big Apple」を経て、一段と洗練されて完成度の高くなったスタジオ盤。文句なしです。

Rising Sun Band At Carnegie Hall









Teruo Nakamura/Rising Sun Band At Carnegie Hall(Canyon/AGHARTA)LP
Teruo Nakamura(b),Ronnie Burrage(ds),Mark Gray(key),Steve Grossman(ss,ts),Bob Mintzer(ts),Kinny Landrum(key),Bill Washer(g),Randy Brecker(flh,tp) and otehrs
79年録音。二夜連続で、中村照夫をお楽しみいただいております。誰に?いや、かみさんに。
カーネギー・ホールでワンマン・ライブというのは邦人ジャズ・プレイヤーとしては初の出来事やったそうです。3000人ぐらい入るらしいですからね。すごい人気やったちゅうことなんでしょうか。
バンドの音はライブということで、かなりラフな面もあります。A面2曲目の「Rising Sun」ではなんとユニゾンが全くあってない。でもグロスマンもミンツアも生きのいいソロを聴かせてくれます。昔、学生会館のバルコニーでアッシ君のウオークマンでこれを聴いたときは鳥肌モノで妙に興奮したものでした。
今聴いても、特にラストの12分に及ぶ「Steppin With Lord」、中村照夫の一世一代の大舞台での汗と涙(別に流してなかったと思いますが)に共鳴したといわんばかりの気持ちの入ったソロの連続で、これは泣かせてくれます。
残念なのは、私のLPのプレスの分だけでしょうか、このレコード、妙に音が薄いのです。。。でも中村照夫の骨太で地面の奥から響いてくるような感じのプレイは充分伝わってきます。

Rising Sun









Teruo Nakamura/Rising Sun(Polydor/Kitty)
Teruo Nakamura(b),Shiro Mori(g),Art Gore(ds),Keiji Kishida(ds),Bob Neloms(key),Harry Whitaker(key),Onaje Allan Gumbs(key),Lonnie Smith(synth),Steve Grossman(ts,ss),Carter Jefferson(ss),and others
76年録音。えーい、「Rising Sun Bnad」攻撃じゃ。
ということで、NY在住邦人ベース弾きによるリーダー作として初めてアメリカでリリースされたといわれるこのアルバム。さらには翌年77年に吹き込んだ「Manhattan Special」がFMで大ヒットしてオンエアされまくるという状況になったという。これだけ才能のあるミュージシャンを集めて、しっかりした内容のものをつくりあげるなんて並大抵のことではなかったでしょうね。それにしても随所に見られるグロスマンの張り切り方がすごい。
「Rising Sun」「Steppin With Lord」「Red Shoes」等、名曲揃いのこのアルバム、CD発売されてすぐ買っといてよかった~。

BIG APPLE









Teruo Nakamura Rising Sun Band/BIG APPLE(Canyon/AGHARTA)LP
Teruo Nakamura(b),Steve Gadd(ds),Buddy Williams(ds),Bill Washer(g),Barry Finnerty(g),Mark Gray(key),Jay Byalick(key),James Bonnefond(perc),Steve Grossman(ts,ss),Bob Mintzer(ts),and others
79年録音。「中村照夫ってうちにあるの?」とかみさん。ナカムラテルオですか、どないしましてん、急に。ええ、ありますとも、いろいろ。と、とりあえずこれのA面をかけてみた。いっとき、よく「OutPut」でかかってましたなぁ。1曲目は「Mr&Mrs.Funk」。「あら、フュージョンやね」と、かみさんニッコリ。お気にめしましたでしょうか。
うーん、それにしても今聴いてもカッコいい!ミンツアとグロスマンのテナー・ソロ、豪華2本立てちゅうのも今考えるとすごいことやねえ。次はグロスマンの伝説(?)の「Someother Blues」が入った「Unicorn」でもかけますか。

2007/04/20

Charisma









Lee Morgan/Charisma(Toshiba EMI/Blue Note)
Lee Morgan(tp),Jackie McLean(as),Hank Mobley(ts),Cedar Walton(p),Paul Chambers(b),Billy Higgins(ds)
66年録音。なんじゃい、このジャケット。と思ったら、録音されてからしばらくオクラだったとかで、アルフレッド・ライオンもリード・マイルスも引退した後の69年に発売なので、かってのBlue Noteらしいジャケットにはならんかったちゅうことです。
内容はというと、例のごとくオクラになってたのが不思議なくらいイイです。「Sidewinder」のヒットの呪縛(?)から逃れられないというか、流行に乗ってたというか、モーガンのオリジナル「Hey Chico」、デューク・ピアソンの「Sweet Honey Bee」あたりが聴きどころともいえますが、私としてはラスト2曲前、ちょっとキザなテーマのあと、なんの仕掛けもなくソロがホットに繰り広げらる「Murphy Man」にシビレました。
どの曲にもいえるのですが、モブレーとともにジャッキー・マクリーンが伸びやかにカッコいいソロを聴かせてくれるのが驚きでもあり、実にうれしい限りです。このへんはなんといっても、ポール・チェンバースがベース弾いているというのが大きいかもしれませんねー。

Dippin'









Hank Mobley/Dippin'(Toshiba EMI/BlueNote)
Hank Mobley(ts),Lee Morgan(tp),Harold Mabern(p),Lary Ridley(b),Billy Higgins(ds)
65年録音。1曲目「The Dip」、2曲目「Recard Bossa Nova」で完全に虜になってしまう、いわゆるJazz喫茶の人気盤。
「Recard Bossa Nova」はボサとロックの掛け合わせみたいで、今聴いても妙にグルーヴしまくってる。しかもわかりやすいカッコよさが気持ちいいです。 昔、これをコーナー・ポケットで初めて聴いたときは「こんなん、どこがエエねん?」といぶかったものですが、謹んでここに訂正させていただきます。はい。
意外とりー・モーガンもモブレーも熱いプレイやし、ちょいメッセンジャーズのシダー・ウオルトンぽいハロルド・メイバーンのピアノのおかげで、他の曲でも「ファンキーやな」の一言では収まらない(モブレーとしては)少しチャレンジャブルで60年半ば的なサウンドというか時代の熱い息吹みたいなものが感じられて、とても楽しめます。
LPではB面のまん中になるバラード「I See Your Face Before Me」で、いつもの感じでモソモソと、でもどこか逞しく吹くモブレーのプレイも美しいでんな。とても充実したアルバムとして聴けるのは、このへんの曲の取り合わせの妙もあるかもしれませんね。

2007/04/19

Clifford Brown&Max Roach









Clifford Brown&Max Roach(Victor Entertainment/Universal Classics&Jazz/Emarcy)
Clifford Brown(tp),Max Roach(ds),Harold Land(ts),Richie Powell(p),George Morrow(b)
54年録音。「おう、ホンマ、いっしょにやろーや」とマックス・ローチに誘われてブラウニーが入ったバンドのスタジオ録音の記念すべき第一作。
クリフォード・ブラウンのディスコグラフィーを調べてみると、この年、8月2日から14日までの間に7回もセッションが組まれて録音が行われていて、このアルバムや「The Immortal」「Brown And Roach Incorporated」「Jam Session」「Dinah Jams Featuring Dinah Washington」等々に収録されて世に出ています。どれも名盤ちゅうのも驚くばかりです。クリフォード・ブラウン、ハードバップ街道を驀進中、ぐらいの勢いを感じさせてくれます。このアルバムも曲は傑作、ソロも傑作、しかもバンドの音としても変な気負いも全く無く、さわやかでしかもホットな出来栄えと申し分なく、当時としては出来立てのホヤホヤながら、すでに最先端・最高峰を行くバンドやったちゅうことやろね。
しかし、「Daahoud」「Joy Spring」「Jordu」あたりを聴くと絶好調のブラウニーのソロが、「あっ、コマサ・フレーズを連発しとる」とつい思ってしまうんやけど、いかんいかん、そりゃ逆やがな、と一人で笑ってしまうのが困りものです。

2007/04/18

Surf Ride









Art Pepper/Surf Ride(Nippon Columbia/SAVOY)
Art Pepper (as) ,Russ Freeman(p),Bob Whitlock(b),Bobby White(ds),Hampton Hawes(p),Joe Mondragon(b),Larry Bunker(ds) Jack Montrose(ts),Claude Williamson(p),Monty Budwig(b),Larry Bunker(ds)
52-54年録音。前半3曲が53年録音、次の3曲が52年、後半6曲(LPだとB面)が54年録音。
どこでラリッててどこが素面なのかさっぱり見当がつかへんけど、どう聴いても「Straight Life」以降、54年の録音の6曲はペッパーのほとばしるエネルギー感とドライブ感が異常にすごい。音の発し方からしてまるで違う。「どんなに早いテンポで吹いてもすさまじい集中力で、音色もソロの内容も破綻することが全くない天才アルト吹き」、というふうにこの頃のペッパーを賞賛してた人がいたが、これを聴くとほんま、その通りやと思う。「Surf Ride」ちゅうアルバム・タイトルは6曲目に収録されてる曲のタイトルから採られてるけど、波に乗ってノリノリやがな、ちゅうのはこの6曲にこそふさわしいかもしれません。
ただ、この後何年かして、麻薬でペッパーの演奏活動も人生も一度破綻することになるんやけど、まさにその破滅に向かう美しさの輝きがここに始まった、とかいうと感傷的でドラマ仕立ての表現になるけど、そうとしか思えませんなぁ。アート・ペッパー好きは根がヘンタイ説というのは、知らず知らずこのへんに魅かれてることを見抜かれてるからかもしれませんね。
それにしても、話変わるけどこのジャケットはもっと他になんかなかったんでしょうか。。。もういい加減慣れてきたんで、これでエエか、と許せるようになってはきましたけど。

2007/04/16

Thad Jones&Mel Lewis Live At The Village Vanguard









Thad Jones&Mel Lewis/Live At The Village Vanguard(United Artists/Solid State)LP
Thad Jones(flh),Mel Lewis(ds)
sax;Jerome Richardson,Jerry Dodgion,Joe Farrell,Eddie Daniels,Pepper Adams
tp;Snooky Young,Jimmy Nottingham,Marvin Stamm,Richard Williams,Bill Berry
tb;Bobby Brookmeyer,Garnett Brown,Tom McIntosh,Cliff Heather
Sam Herman(g),Roland Hanna(p),Richard Davis(b)
67年録音。昨日4月15日、軽音OB会が東京で初開催されました。二次会まで含めて9時間新宿に滞在してました。楽しくて、もう、あっという間に時が過ぎたという感じです。二次会は居酒屋の小部屋で昔の現役の頃のチャリオの音源を聴きながらこれまた大盛り上り。
この二次会のメンバー私がC年のときのE年、F年のチャリオの先輩が中心やったんですが、私にしてみれば神様に囲まれて恐れおののきながらも夢心地という感じの懐かしいポジションですね。あの頃はとてもいい時代でした。
そんな思いをというか余韻を楽しみながらなんか聴くとなったら、このサド・メルのレコードしかないですな。フルバンの名盤中の名盤。他の学生バンドでも同じやろけど、チャリオでも思い出の曲ばかりです。
ところで、ソニー・レスターが後年、別に監修して発売したビレ・バンのCDを聴いて判明したことがあります。なんと元テイクでは「Little Pixie II」のオーラスのテーマでリード・アルトがこけてメロが聴こえてこないんですね。それを別テイクで切り張りして修復したようです。このオリジナルのLPで4小節のドラム・ソロのあとからケツまで急にテンポが速くなってるのはそのせいやったんかというのが合点がいった半面、ショックでした。おまけにローランド・ハナやガーネット・ブラウンのソロに至っては一部カットされてつなぎ合わされてたんですね。このオリジナルのLPで聴くと、ソロは完璧の出来栄えなんですが、カットされた部分があったとは、どうしようもなく複雑な気持ちになりました。
いやいや、それを飲み込んでも、ソロもアンサンブルも完璧のこの名盤、学生の時に買ったものですが、当時すでにどこのレコード屋にもこのLPは並んでなくて、たまたま寄った梅田のLPコーナーで買えたのはとてもラッキーでした。でもジャケットが切られてるいわゆるカットアウト盤でしたが。。。なんか因縁でしょうか。

2007/04/11

Paris Blues









Gil Evans Steve Lacy/Paris Blues(Victor Entertainment/Universal Classics & Jazz/Universal MUsic S.A.France)
Gil Evans(p,el-p), Steve Lacy(ss)
87年録音。ギル・エバンスが亡くなる3ヶ月前に録音されたもので、盟友の一人、スティーブ・レイシーとのデュオによる、生涯最後のレコーディングといわれています。
ギルのお気に入りのミンガスの曲、「Reincarnation Of A Lovebird」、「Orange Was The Color Of Her Dress Then Blue Silk」「Goodbye Pork-Pie Hat」、オリジナルの「Jerry Roll」、D音のチューニング?で始まるレイシーの「Esteem」、どれも静かに、時にスリリングに激情を交歓しながら、やはりもの静かに、いろいろなものが語られていくといった趣きで曲が進んでいきます。
ずっとオーケストラを率いてきたギルって、ピアニストとしての評価はあまり聞いたことがないような気がします。めちゃくちゃグルーブしまくるとか、超絶技巧とか、そういう一般的な美辞麗句とはかなり遠い位置にいるピアノですが、どう聴いても、ギル・エバンス・オーケストラのサウンドが聴こえてくるという不思議な感覚にとらわれます。特にエレピではそうですね。。。。単なる私の偏見?エリントン・ナンバーの「Paris Blues」ですら、ギル・エバンスのオリジナルかと勘違いしそうなくらいです。
エリントンもソロ・ピアノであろうとフルバンドであろうと関係なくエリントンの音楽そのものを放出してましたが、偉大なるオーケストラのリーダーってなそういうもんなんでしょうか。
このレコーディングが行われた87年の11月30日と12月1日って、残ってた手帳を見ると、私、営業に出て京都、奈良、大阪方面をグルグル回ってました。たぶん、遅くまで残業してたはずです。こんな歴史的な日やったのにね。

2007/04/08

Danish Radio Jazz Orchestra Plays Ellington









Danish Radio Jazz Orchestra/Plays Ellington(Storyville)
Niels Jorgen Steen(cond,arr)
99年録音。エリントン生誕100周年の年、世界のあちこちでトリビュート・コンサートが開催されてたと思います。これはそのうちのひとつ、「Danish Radio Jazz Orchestra」による、ベン・ウェブスターなどエリントニアンとゆかりの深いコペンハーゲンは「Jazzhouse」でのライブ盤。
「The Governor」はNiels Jorgen Steen作曲の19分に及ぶエリントンに捧げた曲がそのままタイトルになったもので、その他「in A Mellow Tone」「Prelude To AKiss」「Blue Rose」「Perdido」「Mood Indigo」など全12曲を収録。曲のほとんどは客演指揮者のNiels Jorgen Steenやメンバーのアレンジによるものですが、「in A Mellow Tone」はフランク・フォスターのアレンジやし、「Prelude To AKiss」あたりはエリントン・バンドのアレンジのままやってます。これらの曲はもう、素晴らしすぎてこれ以上やりようがない、ということなんでしょうね。
アルバムとして出来は、それを言っちゃおしめーよ的に言うと、まぁ、イベントものにありがちなというか、ちょっと荒さも目立つかな、てなところです。畏敬の念を持ってエリントンに捧げるとなると、ヨーロッパでも屈指のバンドである彼らもどこかアマチュアぽい香りがしてしまうちゅうのも、逆に愛情の裏返しみたいで微笑ましいところかもしれません。

2007/04/05

Dedication!









Duke Pearson/Dedication!(Fantasy/Prestige)
Duke Pearson(p),Freddie Hubbard(tp),Pepper Adams(bs),Willie Wilson(tb),Thomas Howard(b),Lex Humphries(ds)
61年録音。フラナガンの「Minor Mishap」、ドナルド・バードの「LEX」あたりではホットなハード・バップが聴けてなかなか美味しい気分が味わえます。当時日の出の勢いやったフレディ・ハバードもハツラツとしたプレイですが、しかしなんといっても不気味な存在感というか、怪演を聴かせるのがバリサクのペッパー・アダムスでんな。とことん、マイ・ペースというか、妙にハイテンションでうねうねとした豪快な唄いっぷりに思わず嬉しくなって笑ってしまいます。
ところで、これって、「jazzline」ちゅうレーベルに吹き込まれたセッションですが、当時陽の目をみず、やっと70年になって発売されたようで、私が昔買ったTrioから出てたLPは「Freddie Hubbard/NO.5」ちゅうタイトルがついてました。このCDはDuke Pearson名義やし、たしかに一聴すると、誰のリーダー作かというのが希薄な印象で、内容的にはデューク・ピアソン主催のユルいセッションもの、という感じもします。
実際はデューク・ピアソンが裏方にまわってボントロのウイリー・ウイルソンをフィーチャーした、ウイルソンのリーダ作、という位置づけが正しいようです。なんで、「The nearness of you」「Time after time」とバラード2曲でボントロ・フィーチャーなんやろ、と思ってましたが、そういうことなんですね。すみません。でも当時無名ながら将来を嘱望されてたというウイルソンはこのセッションから2年後、ほとんど録音を残さないまま急逝してしまいます。残念なことです。
発売のオクラ入りとそんなことがあって、この作品はマニアの間ではいわゆる幻の名盤の1枚と謳われてたようです。うーむ。ジャズやねぇ。

2007/04/04

The Truth Vol.2









Frank Mccomb/The Truth Vol.2 aka Motown Sessions(BMG JAPAN/P-Vine/Malibu Sessions)
Frank Mccomb(vo,key),Harvey Mason(ds),Sekou Bunch(b),Doc Powell(g),Paulinho da Coasta(perc),Billy Preston(org),Tony Maden(g),BranfordMarsalis(ss),Steve Harvey(ds,pec,key) and others
95年頃の制作とか。オフィシャル・サイトでかみさんが「Straight From The Vault」ちゅうアルバムを買ったらサイン入りの生写真(ブロマイドか)付やったちゅうFrank Mccombが、そうそうたるメンバーをバックにMotownのMo'Jazzレーベルに吹き込んだもののおクラにされたセッションを収録。Steve Harveyが原盤権を買い取って発売してるので違法ではないらしいが、生写真どころやない、いろいろいわく付きで、マッコム自身はこのCDも非公認とのことです。
でも、音楽はそこから一人歩きしてて、実に素晴らしい唄声が堪能できます。スティービー・ワンダー、ダニー・ハザウェイを思わせる、というのはあちこちで言われてますが、確かにこのへんが好きな人にはこたえられん音創りです。今日も聴いてて単なるイミテイションやないMccombこだわりのメロウなサウンドに、頭の中でドーパミンが溢れてくる感じです。目下、頑な信念からオリジナルCD(CD-R)をオフィシャル・サイトで手売りしているそうやけど、ある意味、汚されてほしくないという思いです。

2007/04/03

Sarah Vaughan with Michel Legran









Sarah Vaughan/Orchestra Arranged And Conducted By Michel Legran(Sony Music/Mainstream)
Sarah Vaughan(vo),Michel Legran(arr,cond),David Grusin(key),Ray Bronw(b),Chuck Rainey(b),Shelly Manne(ds),Larry Banker(perc),Bud Shunk(as),and others
72年録音。マーキュリーから離れたサラが70年代に入り契約したメインストリームでの第二弾アルバム。巨匠ミシェル・ルグランが総勢104名からなる大オーケストラを編成。クレジットを見ると、デイブ・グルーシンがピアノ弾いてたり、レイ・ブラウンがベース弾いてたり、バド・シャンクやジェローム・リチャードソン、ボブ・クーパーがサックス吹いて、シェリー・マンがタイコ叩いてたり、と超豪華メンバー。
この超デラックスなオーケストラをバックにルグランのオリジナルに英語詩をつけた曲をサラが巧みに、美意識に満ちた表現力で唄いきるという優れた内容になっとります。1曲目「The summer knows」2曲目「What are you doing the rest of your life?」ですでにその唄声に引き込まれてしまいますね~。
曲はルグランの有名な曲ばっかりなんでしょうが、せっかくやねんから、なんちゅうか、もっとキャッチーなというか、つかみ、そうそう、つかみやね。寝るときのマイ枕みたいなやつ。個人的にはそれが欲しかったでんなぁ。

2007/03/30

Don't You Worry 'Bout A Thing









Hank Crawford/Don't You Worry 'Bout A Thing(King Record/CTI/KUDU)LP
Hank Crawford(as),Bob James(key,arr.),Richard Tee(key),Hugh McCracken(g),Gary King (b) , Ron Carter(b),Bernard Purdie (ds), Idris Muhammad(ds),Ralph MacDonald(perc),and othersJerry Dodgion(ts,fl),Joe Farrell(ts,fl),Alan Rubin(tp,flh),Jon Faddis(tp,flh),Randy Brecker(tp,flh),Pepper Adams(bs),Romeo Penque(bs) and strings
74年録音。CTIでの4作目のこのアルバムでは「Don't You Worry 'Bout A Thing」「All In Love Is Fair」と2曲スティービー・ワンダーの曲もカバーしてますが、やっぱりクロフォード節が炸裂。圧巻はやはりB面1曲目「Sho Is Funky」でしょうか。
バックは完全にCTI・KUDUが狙ってたと思われる「ブラック・ファンク」のサウンドですが、それにまたこのファンキーなアルトがのっかって一発聴かせてくれるというこのクサさというか洗練されてないスタイルというか、妙に説得力があるのが不思議。こりゃ、マネできまへんで。
ところでレイ・チャールズ・バンドで吹いていたハンク・クロフォードがサンボーンのアイドルやったというのは有名な話。このハンクのソウルフルな唄いくちや雰囲気たっぷりに吹くフレーズに、サンボーンもそういや、たしかにこないなことやっとりますわ、師匠、と思わず頬がゆるみます。

BECK









Joe Beck/BECK(Motown/KUDU)LP
Joe Beck(g),David Sanborn(as),Don Grolnick(key),Steve Kahn(g),Will Lee(b),Chris Parker(ds) and strings
75年録音。「BECK」ちゅうても「Mellow Gold」やないで~。ジョー・ベックのロックなギターに真っ向勝負でサンボーンが吹きまくる名盤中の名盤。全編、サンボーンの音のシャワーを浴びてるみたいで気持ちがよいですわ。
同じ頃にサンボーンはグロリニック、ウイル・リー、クリス・パーカーを従えて初リーダー作「Taking Off」をワーナーに吹き込んでますが、「Beck」の方がギター1本、アルト1本のガチンコ勝負ということもあってか(そこはさすが仕事人サンボーン)、かなりハードに吹きまくってて、ビビッドで肉厚な響きを聴かせてくれます。ラストの「Brothers and Others」では思わずコントロールのタガが外れたようなニュアンスさえ見せます。このあたりはやはり、制作クリード・テイラー、エンジニアのルディ・ヴァン・ゲルダーのマジックなんやろね。

The Cape Verdean Blues









Horace Silver/The Cape Verdean Blues(Toshiba EMI/Blue Note)
Horace Silver(p),Woody Shaw(tp),Joe Henderson(ts),J.J.Johnson (tb),Bob Cranshaw(b),Roger Humphries(ds)
65年録音。クラブ・DJの人気盤で、ファンキーなラテンのリズムで踊れる傑作、というのが今時の紹介らしい。そやったんか、ファンキー親父か、ホレス・シルバー。
当時頭角を現してきたジョー・ヘンに、パリで演奏活動してたのをスカウトして引っ張ってきたというウディ・ショウ、LPだとB面にあたる4~6曲目には永らくラブ・コールをしてたというJ.J.をフロントに立てて、裏ジャズ・メッセンジャーズとも言われてるサウンドをのっけて強烈に飛ばしてます。
実際、1曲目「The Cape Verdean Blues」4曲目「Nutville」あたりは、実はこのアルバムで実は最も貢献度大のRoger Humphriesの煽るようなドラミングもあって素晴らしいの一言に尽きます。また、3拍子の「Pretty Eyes」、ラストの「Mo' Joe」を聴いてると、ホレス・シルバーって、時代に巧みに乗った作曲センスやメンバー起用と独自のバンド・サウンドに仕上げる術が実にアッパレやってんなと思ってしまいます。
ところで、夜な夜な、クラブの皆さんはこれでどないな感じで踊ってはるんかなぁ。こちらも気になります。

2007/03/28

The Count's Men









The Count's Men featuring Joe Newman(Camarillo Music/Fresh Sound)
Joe Newman(tp),Frank Wess(ts),Frnak Foster(ts),Benny Powell(tb),Sir Charles Thompson(p),Ed Jones(b),Shadow Wilson(ds),Ernie Wilkins(arr)
55年録音。「ジョー、一発、頼んますわ」とベイシー・バンドのトップ・スター、ジョー・ニューマンはレコーディングの依頼を受けて、アーニー・ウイルキンスにアレンジを頼み、「おう、やるで!」とベイシー・バンドの花形選手に声をかけて集め、これを作ったらしい。
ウイルキンスのアレンジもあって、ミニ・ベイシー・サウンドの趣もありますが、非常にくつろいだ感じでなごんでしまいます。皆さん、ギラギラに輝いて聴こえるのは、やっぱベイシー・バンドにいるときやと思うんやけど、こんなセッションだとそれぞれの飾らない持ち味や「ちょっとやるか」と色気が出てたりして楽しいものです。
ちなみに、ジャケットの右上はパッと見、若き日のコマサかと思いますが、これがジョー・ニューマンさんです。

2007/03/27

Supersax Plays Bird with Strings









Supersax/Plays Bird with Strings(Toshiba EMI/Capitol)
Med Flory(as),Joe Lopez(as),Warne Marsh(ts),ay Migliori(ts),Jack Nimitz(bs),Lou Levy(p),Buddy Clark(b),Jake Hanna(ds),Conte Candoli(tp),Frank Rosolino(tb),and Strings
74年録音。チャーリー・パーカーのソロをサックス・ソリで再現するというメチャクチャしんどい仕事を思いついたのはリーダーのMed Floryらしい。第1作が発表されたのは72年のことで、爆発的人気を呼んで、このストリングスものは3作目にあたる。
私、これを最初に聴いたのは発表されてから何年も経ってた大学1年(いわゆるC年)のときに先輩の車に乗っけてもらってたときにカーステでかかってたものでした。もう、こりゃすごいという衝撃で人の話聞かんと、これに必死に耳を傾けてたという、私は失礼な後輩でした。
いやホンマ、「April inParis」「I didn't know what time it was」といったパーカーがウイズ・ストリングスでやってたものに加え、急速テンポの「Blue'n'Boggie」「Kim」等、まさに一糸乱れぬアンサンブルに今でも興奮してしまいます。
ところで、これも含めて、「Supersax」を聴くと、大体味わう気分が3パターンぐらいにあります。まずは、パーカーのソロ、コピーして一人で吹くのも難儀するのに、これを5本でハモッてやっとる、というテクニカルな部分とそのサウンドに対する衝撃ですな。もうひとつは、逆になんとなく、なぜかそれがむなしいと思えてしまう。最後はパーカー・ミュージックがどうしたこうしたとか以前に、サックス・ソリとしてのドライブ感とリッチなサウンドに惚れ惚れとしてしまう、ちゅうことかな。
「Supersax」って、あれこれ言う人も多いようですが、日本盤解説で後藤雅洋氏が触れているように、理屈なしに3つ目のゴージャスなサックス・アンサンブルを堪能する、ということにつきると最近は思ってます。

2007/03/25

Hampton Hawes Trio Vol.1









Hampton Hawes/Trio Vol.1(King Record/Contemporary)LP
Hampton Hawes(p),Red Mitchell(b),Chuck Thompson(ds)
55年録音。西海岸で活躍していた人には珍しく、バド・パウエルを思わせるスタイルとハード・ドライビングなプレイで人気のホースの初リーダー作。A面1曲目「I Got Rhythm」、B面1曲目「Hamp's Blues」なんかはその典型的なプレイで、このアルバムといえば、と言われる傑作。
でも、それだけやないでと、制作のレスター・ケーニッヒはホースを「スイングするプレイヤーやけど、それ以上のものを持ってましてな、曲の表現や中身がビックリするほどセンスがよろしいアーチストでんな。リリカルでピアニスティックなスタイルが"What is this thing called love"や"All things you are"のイントロでつけたアドリブ・プレイに現れてまっせ。」と紹介しています。
同じピアノ弾きのバリー・ハリスは小川隆夫氏とのインタビューで、洒落たタッチで迫力のある展開をミックスさせるプレイこそがホースの真髄として「What is this thing called love」やソロで弾く「So in love」のコール・ポーターの曲を推薦しています。
思い込みででアップテンポの曲だけに注目するんやなしに、アルバム全体を楽しみたい名盤でんな。改めて思いました。

Medical Sugar Bank









Sato Masahiko and Medical Sugar Bank/MSB(CBS SONY/OPENSKYE)LP
佐藤允彦(key),清水靖晃(ss,ts),高水健司(b),山木秀夫(ds),穴井忠臣(perc)
79-80年録音。佐藤允彦が当時若手NO1のメンバー、というか今となっては超豪華メンバーやけど、を集めて結成したMSBの第一作。Native Sonもスクエアも、まぁ、日本のフュージョンもエエけど、なんかどこか物足りへんと思ってた人たちはこれを聴いてぶっとんだもんです。メロディアスながらアグレッシブなサウンドで、バンドのすさまじいスピード感にスリルリングなソロの応酬と聴き応えありのまさしく名盤。
若き清水靖晃は当時はブレッカー・フリークを自認し、プレイもブレッカーぽいとか言われてましたが、テクニカルな面での影響はあるものの、すでにオリジナリティあふれる驚異的なプレイを展開していて、その才能に改めてひれ伏してしまいます。
残念ながら2枚のアルバムを残してMSBは解散し、その後CDで再発されることも無かったのですが、今、Sony Musicのサイトで熊谷美広氏がCD化希望の1枚にあげておられます。とりあえず私は清き1票を投じておきました。

ATLAS










JAZZINHO/ATLAS(Rip Curl Recordings/Inpartmaint/JAZZINHO MUSIC)
Guida De Palma(vo), Ed Motta(vo,g,etc),Max Middleton(clav),and others
2006年作品。Guida De Palma率いるUKブラジリアン・グルーヴの新星「Jazzinho」の2ndアルバム。ずっとほったらかしにしてましたが、ようやく聴きました。いやー、カッコよろしいです。「レア・グルーヴ、ボサ、ポルトガルのルーツ・ミュージックといわれるファドからジャズまでブレンドしたオーガニックでソウウルフルな音楽」というのがライナー・ノーツの紹介。ほほう。打ち込みから脱却した70年代ぽいテイストとファンキー&ブラジリアンな感じはプロデューサーのEd Mottaの起用が効いているらしい。ふむふむ。そうそう二人のデュエットのラストの「SYMETRIE」がしっとりと心に残ります。
でも驚きというか、買ったときの一番の動機はお元気でいらっしゃいましたか、てな感じでMax Middletonがクラビネット弾いてるというクレジットを見たからやねんけどね。

The Moontrane









Wody Shaw/The Moontrane(Nippon Columbia/Muse)LP
Woody Shaw (tp), Azar Lawrence (ts, ss), Steve Turre (tb), Onaje Allen Gumbs (p, el-p), Buster Williams (b), Cecil McBee (b), Victor Lewis (ds), Tony Waters (congas), Guiherme Franco (per)
74年録音。プロデュースしたマイケル・カスクーナの弁によると、ウエスト・コーストで仕事してたウディ・ショウが「わしゃ、もうやるしかないで」と奮起してNYに再度戻り、バンドを編成して活動を開始したところを捕らえてレコーディングしたようです。
A面1曲目のタイトル曲「The Moontrane」から、「Tapscott's Blues」、B面の5拍子の「Sanyas」なんかはめっちゃハード・ドライブな演奏やし、ラストには名曲「Katrina Ballerina」も収録、全体としてバンド・サウンドを意識したとても素晴らしい仕上がりになってます。ジョー・ヘンやホレス・シルバーでのサイドメンとしての演奏もよかったけど、このアルバムで急激にウディ・ショウは立ち上がったような感じです。
この「The Moontrane」の出だしのイントロを聴くと、ついに走り出した!という躍動感と期待感が一気にふくらんでくるのですが、このアルバム以後、MUSE、CBS、Enja等に残されたウディ・ショウの作品はホンマ、どれも素晴らしいものばかりです。

2007/03/23

New Wine In Old Bottles









Jackie McLean With The Great Jazz Trio/New Wine In Old Bottles (Inner City/Nippon Phonogram/East Wind)LP
Jackie McLean(as),Hank Jones(p),Ron Carter(b),Tony Williams(ds)
78年録音。76年のナベサダとグレート・ジャズ・トリオの共演盤の成功で気をよくしたのか、East Windがこのトリオにマクリーンをフロントにたてて制作した企画盤。でも、マクリーンはやや精彩を欠き、当時絶好調のグレート・ジャズ・トリオの快演が際立つ感じです。このジャケットの鮮やかな色の景色は3人のリズム隊が見せる風景かもしれません。
70年代前半でSteepleChaseでの録音もなくなり、この頃すでに引退状態といわれてたらしいマクリーンやけど、B面頭の「Little Melonae Again」やラストの「Confirmation」ではキラリとビバップ魂の輝きを見せる瞬間もあります。でも、この真ん中に挟まれたリラックスしたバイショーぽいバラード「Bein' Green 」でどうもマクリーンの切ない泣きが聴こえるような気がします。
そういえば、高校の頃に三宮のジャズ喫茶「にいにい」に初めて行ったときに、連れのアルト吹きの友人が新譜だったこのレコードをリクエストしました。「マクリーンが好きなんか。」「そうなんです。」「マクリーンやったら、他にももっと泣いてるやつあるで。」マクリーン好きと聴いて気をよくしたらしいマスターと連れの会話を横で聞きながら、僕は壁にかかったこのLPのジャケットをずっと見つめてました。空と海の色に赤いアクセントの効いたデザインに、僕は短絡的に少し乾いた夏の風を思ってました。ちなみに、マクリーンとトニー・ウイリアムスとのレコーディングでの共演はこのアルバムがどうも最後のようです。

2007/03/21

THE GRIFFITH PARK COLLECTION









THE GRIFFITH PARK COLLECTION (Warner Pioneer/ELEKTRA/MUSICIAN RECORDS)
Chick Corea(p),Stanley Clarke(b),Lenny White(ds),Joe Henderson(ts),Freddie Hubbard(fh,tp)
81年録音。久々に聴いたなぁ。メンツ的にRTFの4ビート版かと思われそうですが、どちらかというと、レニー・ホワイトのプロデュースの下、チック・コリアはオール・スーター・セッションの優秀なピアニスト的な立ち位置にいるような感じです。その分、内容が玉虫色になった感は否めませんが、トニー・ウイリアムスをちょい意識させるレニー・ホワイトのタイコやスタ・クラの弾くベースのランニングを聴いてると、60年代、70年代から脱皮しつつある新しめのビート感のジャズやってんなぁと、改めて実感させられるものがあります。
うーむ、それにしても、A面の1曲目「L's Bop 」のハード・バップな演奏もカッコイイけど、続く2曲目「Why Wait」でテーマの途中で挿入されるソロも、フレディに続くソロでも、ジョー・ヘンの実に素晴らしいこと!
ところで、「ELEKTRA/MUSICIAN」を任されたブルース・ランドヴァルが「チャカに唄わせて、当代一流の君らで一発やったらおもろいんちゃうやろか」とレニー・ホワイトにもちかけて、チャカ・カーンを入れた「ECHOES OF AN ERA」を始めに、このメンツでのライブ盤「THE GRIFFITH PARK COLLECTION 2-IN CONCERT」、ナンシー・ウイルソンのヴォーカルでライブ盤の「ECHOES OF AN ERA 2-THE CONCERT」と、結局82年に発売されたものが合計4作もあります。
このLPは日本では「ELEKTRA/MUSICIAN 」レーベルの第1回作品として発売されてました。私、このLPしかもってないけど、今となってはいい作品を残してくれたもんです。他のも聴きたくなりました。

Black Gold Massive









Black Gold Massive/stories(Swanky Records/Major Menace)
2006年作品。Chris Blackgoldちゅう人が中心となったUKのユニットで、ヴォーカルにはLuther VandrossやBeyonce、Alica Keysらとの共演経験もあるというCindy Mizelleがフィーチャーされている。いわゆる「UKソウル・アシッド・ジャズ」?ちゅうのに分類されるんかしら。なつかしの90年代を体験するようなサウンドがとても心地よいです。Incognitoみたいなんが好きな人なら1曲目の「Just Make A Move」2曲目の「Cast No Shadow」を聴くと思わず食いつくんやないでしょうか。
これって1月のいつ頃か忘れたけど、駅ビルの新星堂で試聴機に入ってたのを聴いておおーっ、Incognitoみたいでカッコイイ、と思ったんやけど、ジャケ写のPOPはあるけどモノがない。まだ発売なってないんか?とAmazonやHMVのサイトを見ても入荷未定やったり取り寄せ3週間とか掲載されてる(当時ね)。しゃーない、日本盤が発売なったら買お、と思いながらも、気がついたらジャケ写のPOPも、試聴機もはずされてた。どないなってんねん、と思ってある日店員さんにたずねたら、品切れでして、ということで取り寄せてもらったら入荷まで1週間近くかかってた。
あまり話題になったり、売れたりしてないのかしら?そういや、J-Waveとかでかかってるの聞いたことないしなー。わたし、これけっこう気に入りましたで!頑張れSwnakyレコードの宣伝マンさん!