2007/04/11

Paris Blues









Gil Evans Steve Lacy/Paris Blues(Victor Entertainment/Universal Classics & Jazz/Universal MUsic S.A.France)
Gil Evans(p,el-p), Steve Lacy(ss)
87年録音。ギル・エバンスが亡くなる3ヶ月前に録音されたもので、盟友の一人、スティーブ・レイシーとのデュオによる、生涯最後のレコーディングといわれています。
ギルのお気に入りのミンガスの曲、「Reincarnation Of A Lovebird」、「Orange Was The Color Of Her Dress Then Blue Silk」「Goodbye Pork-Pie Hat」、オリジナルの「Jerry Roll」、D音のチューニング?で始まるレイシーの「Esteem」、どれも静かに、時にスリリングに激情を交歓しながら、やはりもの静かに、いろいろなものが語られていくといった趣きで曲が進んでいきます。
ずっとオーケストラを率いてきたギルって、ピアニストとしての評価はあまり聞いたことがないような気がします。めちゃくちゃグルーブしまくるとか、超絶技巧とか、そういう一般的な美辞麗句とはかなり遠い位置にいるピアノですが、どう聴いても、ギル・エバンス・オーケストラのサウンドが聴こえてくるという不思議な感覚にとらわれます。特にエレピではそうですね。。。。単なる私の偏見?エリントン・ナンバーの「Paris Blues」ですら、ギル・エバンスのオリジナルかと勘違いしそうなくらいです。
エリントンもソロ・ピアノであろうとフルバンドであろうと関係なくエリントンの音楽そのものを放出してましたが、偉大なるオーケストラのリーダーってなそういうもんなんでしょうか。
このレコーディングが行われた87年の11月30日と12月1日って、残ってた手帳を見ると、私、営業に出て京都、奈良、大阪方面をグルグル回ってました。たぶん、遅くまで残業してたはずです。こんな歴史的な日やったのにね。

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