THE MESSAGE!
Johnny Griffin/The Little Giant(Fantsy/Riverside) LP
Johnny Griffin(ts),Blue Mitchell(tp),Julian Priester(tb),Wynton Kelly (p),Sam Jones,(b),Albert Heath(ds)
59年録音。「まいど!わし、ブローしてまっせ!」といってるかのようなジャケットが実にカッコイイ。
実際中身も「よっしゃ、いくでー。みなついてこい!」と快調なブローで飛ばすグリフィンが他のメンバーを鼓舞してるかのようで熱いプレイが繰り広げられてる。特に2曲目の「The Message」では、ほんま、熱気と緊張感がみなぎったファンキーなプレイで圧倒されてしまう。
意表をつかれるのがピアノレスのトリオで怪しげに演奏されるA面3曲目の「Lonely One」。ついブローテナーのお約束ショーケース的な芸かと誤解してしまうが、ところがどっこい、これで、グリフィンが脳天気にブローするただの早吹き男やなくて、実にセンシティブな表現力をもったテナーマンやということがよくわかる。恐るべし、グリフィン。
Mel Lewis Jazz Orchestra/Soft Lights and Hot Music(Nippon Phonogram/Musicmasters)
Mel Lewis(ds),Kenny Werner(p),Dick Oats(as,ss,fl),Ted Nash(as,ss,fl,cl),Joe Lovano(ts,ss,fl,cl),Ralph Lalama(ts,fl,cl),Gary Smulyan(bs,b-cl),John Mosca(tb),and others
88年録音。Village Vanguardでのライブ盤。昼間なのでちょいと大きめの音で聴いてみた。
そういえばこれって90年発売でしたが、その前年にメル・ルイスの最後となった来日ツアーがあり、仕事が終わってから、金沢大Modern Jazz Society出のHさん、阪大New Wave出のTさんと3人で横浜「Bird」に観に行ったんですわ。その日はちょっと僕ら以外は客層が違うという感じで、演奏のすごさに「イエー」とか「ウオー」とか拍手と声を飛ばしているのは僕ら3人だけでした。最後もこれは良かったと、「アンコール」と絶叫しながら一生懸命アンコールの拍手をしてるのはやはりこの3人だけだったたんですが、なんとバンドはステージに戻ってきて、メル・ルイスが「昨日まで東京のブルーノートで演奏してたんやんけど横浜の客のほうが素晴らしい!ホンマおおきに!」とコメントしてアンコール曲に突入。僕ら3人は感激しまくった、という思い出があります。なのに、年明けにメル・ルイスは他界してしまいがっかりしてたんですね。
そんなある日、仕事中に見てた某専門誌の発売予告欄のページで見つけて、当時久米ビルの隣にあったレコード店に思わず予約しに行って買ったのがこのアルバムでした。もう買って正解でした。「Soft lights and sweet music」「It could happen to you」といったスタンダードからショーターの「Lester left town」Kenny Wernerの「Compensation」などなど全て曲よし、アレンジよし、演奏よし、ソロよし、と名盤です。60~70年代のビートの感覚をベースにこんな高度なアレンジとコンテンポラリーなサウンドで聴かせてくれるビッグ・バンドってもう無いですよね。ほんと今考えてもビッグ・バンド界の宝でした。
ところで私が加入してるハイライトではこのアルバム9曲の中から5曲演奏したんですね。今は名曲「Compensation」を再度採りあげてやってます。それにしてもこのソロ、難しいんですわ。でも、このホンチャンでは、ロバーノ先生が語り、紡いで彼の「償い」をたっぷり聴かせてくれます。素晴らしいの一言です。
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