2007/02/10

High Life









High Life/Wayne Shorter (Verve Records)

Wayne Shorter (Ss,Ts,As,Bs),Rachel Z(P, Syn),David Gilmore(G),Lenny Castro(Per),Airto Moreira(Per),Will Calhoun (Ds),Terri Lyne Carrington(Ds),Marcus Miller(B&Producer)
95年録音。
すばらしい!なんと美しく、深く、楽しい音楽なんやろ!当時、新譜で発売されたときにすぐ買った。実際のところピンとこなくて、うーん、なんだかつまらん、いやいやいや、そんなはずはないと、毎日会社の行き帰りにウォークマンでしばらく聴き続けたものの、結局ほったらかしにしてしまってたアルバム。もちろん、マーカス・ミラーのベースやバスクラが鼻につくとか、そういうのもあったけど、今考えるとなんとバチあたりなことやろか。今年は2007年やから、買ってから10年以上経ってるわけやけど、このアルバムの素晴らしさに気がつかなかった10年はいったい何やったんやろか。ショック。。。
ショーターを聴くと、どうも、ものごころ付き始めた子供が、空想と現実の区別がつかないままあれこれしゃべってるような感じを受けて、戸惑うことがある。もちろん本人は本人で合点がいっているんで、こっちはよけいに当惑するちゅう感じ。
淳平さんに借りたショーターの伝記「Foot Prints~ウエイン・ショーター評伝」を少し読み始めたんやけれど、ショーターはどうも、そんな子供がそのまま大きくなった人のようだ。このアルバムを聴いて最初に「なんや映画のサウンドトラックみたいやなぁ。」と思ったのはあながち的はずれではなかったんかもしれませんなぁ。ショーターは作曲のときも演奏するときも、アルバム製作のときも、常に自分のイメージする映像やストーリーが必ずあるそうだ。宇宙船に乗って地球を離れ、最初に到着した惑星で繰り広げられる冒険活劇。。。みたいなことを大真面目に、考えているフシがある。
うーむ。ジョニ・ミッチェルはショーターを評して「私たちは退廃と堕落の時代を生きているが、彼は今も天高く舞い上がり続けている」と語ったらしい。
私は1mmでも近づこうと高く、HighLifeを生きたいと思い、「ショーター様、あの。。。」と呼びかけても、宇宙船でビータを続けるショーターは、遥か銀河系の彼方にある小惑星のライブ会場からポーカーフェイスでソプラノを「ぷー」と聴かしてくれるだけですねん。

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